なぜここに人間がいるのか、ということに近いようなことが
なんとなくコラージュをやっていると見えてくる。
──天野天街 (『天野天街萬華鏡』巻末対談より)
自らが主宰する劇団「少年王者舘」はもちろん、近年は外部演出の舞台も多い名古屋の作・演出家、天野天街。言葉遊び、映像効果、ダンスなどを無尽蔵に盛り込んだ奔放かつトリッキーな、それでいて観る者に“イツカ懐カシイ”という感慨を無性に抱かせる舞台は、演劇ファン以外からも幅広い支持を集めています。
そんな天野は演劇や映像作品だけでなく、コラージュアートでも独自の世界を展開。目眩がしそうなほど細密な部分まで、すべて手切り・手貼りで作られている作品は、王者舘公演の宣伝美術はもちろん、CDや書籍の装丁にまで及んでいます。2008年12月には、80年代後半からの主要なアートワークを収録した作品集『天野天街萬華鏡』を上梓しました。
この展覧会は、同作品集発刊の際に東京で開催された「天野天街萬華鏡展」の関西版となります。今回は作品の雰囲気に合わせて、無機質なギャラリー空間ではなく、大阪・中崎町の[うてな喫茶店]で開催することになりました。
[うてな喫茶店]の店長は天野天街のファンで、この喫茶店を作る時も、少年王者舘の舞台美術を強くイメージしたそうです。昭和初期の町屋をほぼそのまま利用した古びた空間に、天野のコラージュ作品が溶け合うことで、一般的な展覧会とはひと味違う、不思議なノスタルジック体験ができることでしょう。
展示物は『天野天街萬華鏡』に収録された作品原画を中心に、20〜30点を予定しています。また会場では関連書籍やDVDの物販、天野デザインのグッズ等の販売も予定しています。
また期間中の8/6〜9には、京都の[ART COMPLEX 1928]で、少年王者舘本公演『夢+夜〜ゆめたすよる〜』(天野天街3年ぶりの新作)が上演されます。ぜひこの夏は京都・大阪の二都市で、天野天街のマジカルワールドに、演劇とアートの両面から迫ってみて下さい。
日程◎2009年7月29日(水)〜8月9日(日)
※8/3・4休期間中無休となりました!!
会場◎[うてな喫茶店] tel:06-6372-1612
開場時間◎午後1時〜午後8時(最終入店は15分前まで)
入場料◎無料(喫茶店利用がなくても入店可)
問い合わせ◎yoshinag@mtc.biglobe.ne.jp
会場への地図は以下の通りです。
大阪市営地下鉄中崎町駅4番出口から、北へ3分ほど歩いた所です。
【天野天街プロフィール】
1960年、愛知県一宮市出身。1982年に少年王者舘(当時は少年王者)を旗揚げし、以後名古屋を拠点として全国的に活動する。少年王者舘公演の他、他劇団の演劇作品や人形劇の舞台など、多種に渡るジャンルの作・演出を手がけている。
1994年には初監督映画『トワイライツ』で、「オーバーハウゼン国際短編映画祭」と「メルボルン国際映画祭」のグランプリをW受賞するという快挙を遂げた。
日本維新派(現維新派)と少年王者舘の合同公演『少年ノ玉』(1987年)の宣伝用フライヤー作成を契機に、コラージュの制作を開始。以後少年王者舘公演の他、流山児★事務所公演や各種プロデュース公演の宣伝美術を中心に作品を発表し、高い評価を得ている。
2009年は、7〜8月の少年王者舘本公演の他、12月に寺山修司の同名映画を舞台化した、流山児★事務所『田園に死す』(脚色・演出)の公演が控えている。

